豊かさ(2017年12月11日の朝礼より)


★お知らせ


この項目を作ったきっかけに、
僕の尊敬する稲盛和夫さんの創業時の話があります。

京セラという名前はよく聞くと思います。
規模としてグループ数が231社、社員数が7万人
当社のコールセンターがある島根県江津市の市民の2倍以上です。
そう考えるとすごい規模です。

それだけにとどまらず、au、JALの再生という、
それぞれ2兆円クラスの会社を運営している
経営の神様で、僕の尊敬する経営者の一人です。

創業時の有名な出来事を紹介します。

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三日三晩かけての団体交渉、
創業して3年の春、前年に入社した
高卒社員11名が定期昇給やボーナスなどの
待遇保証を求める団体交渉を申し入れてきました。

会社を創業した当初の目的は、
自分達の技術を世に問う。

稲盛さんはもともと技術者でした。
松風工業という会社にいたのですが
自転車操業で経営が危ないので、皆やめていきました。

稲盛さんは鹿児島から出てきて、
自分は技術を世の中に出したいということで、
会社に寝泊まりするぐらいで、
一生懸命技術、ものづくりをやっていました。

会社が傾いたときに出資してくれた人がいまして、
稲盛さんが技術者ですが社長になりました。

もともと技術者なので、経営というより
とにかく良い物作りたいと仕事をしていたときに、
11人の高卒社員が団体交渉してきたそうです。

当初の目的は自分たちの技術を世の中に問うこと。
稲盛和夫の技術が世の中に通用するか、
ということで出資してくれた人がいました。

その夢を実現するために創業メンバーは
とにかく必死で働くことが当たり前の状態になっていました。

その一方で入社間もない高卒社員は
必然的に遅くまで残業していたことへの不満と将来に対する不安が募り
団体交渉という形で会社に将来の保証を求めたのです。

稲盛はそれに対し「出来たばかりの会社なので
将来の確約はできないが、必ず君たちのためになるようにする」と
説明しましたが、高卒社員に納得してもらうことはできませんでした。

交渉は会社だけでなく稲盛の自宅においても続けられました。

三日三晩かけて徹底的に話をした結果、
信じられないなら騙される勇気を持ってみないか、騙されたと思ったら俺を刺し殺してもいい、
という言葉に込められた稲盛の熱意が通じ、この交渉はようやく決着しました。

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この頃は1961年で、僕が生まれる前です。
世の中は学生運動とか、激しい世の中で、デモやいろんなものが活発に起きて、
高卒の11名の人達と、想像するに最後の稲盛さんの
「俺がウソをつくなら刺し殺してもいい」という言葉に、激しい交渉だったと思います。
血気盛んな頃だったので、そういう命がけの交渉だったと思います。

この一件を機に稲盛さんは、
“会社はどういうものでなければいけないのか”ということを真剣に考え続けました。

その結果、会社経営とは将来にわたって社員やその生活を守り、
みんなの幸福を目指していくことでなければならないということに気づいたのです。

その上で会社が長期的に発展していくためには、
社会の発展に貢献するという、社会の一員としての
責任も果たすことが必要であると考えました。

これ以降、京セラは経営理念を
全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、
人類社会の進歩発展に貢献すること と定めたのです。

会社の目的は通常
株式会社であれば
誰のものですかというと、通常は株主さんです。

株主の利益を追求するのが目的です。
特に上場企業になると株主の利益を追求しないといけない。

出資してくれた人、お金を出してくれた人の利益を出す。

だけど、稲盛さんは、高卒の11名の団体交渉を経て、
社員の物心両面の幸福が会社の目的ということを思われた、という創業時の話です。

ものだけでもダメだし、精神的にも豊かな、
物心両面の幸福を追求するのが会社の目的ですと
稲盛さんが定められたという創業時の話です。

僕も稲盛さんの影響を多く受けて、
経営計画手帳にもそのことが書いてあります。

経営基本方針というのは基本的には変わらない会社のものです。
一番がお客様第一、二番に従業員の物心両面の幸福ということが書いてあります。

これは僕が稲盛さんの盛和塾で学んで、
稲盛和夫さんから教えを受けたものの考え方です。

会社は働いている人と家族の幸せを実現するためにある。
仕事を通してお客様に喜んでいただくことで、感謝されて利益が上がる。

利益が上がることで従業員の待遇がさらに良くなり幸せが実現される。
会社の基本、経営の基本は従業員の物心両面の幸福ということを手帳明記しています。

要するに物心両面で豊かになるためのカギは人だと。
人、モノ、金と経営資源の3要素と言われています。

お金は一番最後、人は一番大切にする。
そういう稲盛和夫さんの考えをされています。

お金では相当苦労しておられ、人が去っていったこともありましたので、
どれも大事ですが、あえて言えばところだと思います。

当社でも創業時に商材を仕入れる契約がうまくいっていなくておらず
営業マンは営業活動ができないので全員辞めてしまうということがあり
営業活動ができない時がありました。

人という点では、いろんなことがあって、
昔営業会議で僕が怒ったときもありました。
いろんな不平不満は言うけど業績が上がらない。

僕も若かったのでカチンときてしまいました。
営業マン10人くらいの前で「どうしたらよくなるか
意見を出してくれ」と言ったけど、しーんとしている。

それで怒って
「皆、嫌だったらやめろ。ぶつぶつ文句だけ言うならやめてしまえ。
この会社は僕一人でやってきたんだから、自分らがいなくてもできる」と言ってしまいました。

それを同じ同業者の九州のR社の社長と話をしていたときに、
「僕も同じようなことがありまして、6人の営業マンの前で、
あまりにも腹が立つので目をつむって、辞めたいやつは
手をあげろと言ったら全員が手をあげて全員がやめちゃいました」と、仰っていました。

当社では以前に
いろんなお客様と結託、癒着して
自分で商品を仕入れてきて悪さをして、やめていった社員もいました。
そのとき僕は社員のことを責めていました。

でもよく考えると、自分が社員の皆に対して
しっかりと対応出来ていなかったんじゃないかと考えました。
人が採用してやめていくということが一番つらいことです。

人それぞれ事情もあったりします。
今回「海外に行きます」と一度は退職した稲田さんが
「帰ってきました!アルバイトで働かせてもらいます」ということがありました。

帰ってきてくれたらすごく嬉しいんですが、昔の私は見返りを求めたんですよね。
見返りを求めると腹が立つし落ち込みます、見返りを求めないことが大事です。

たとえば
「あの社員、研修もいっぱい行って、研修費何百万もかけてやっと育ったのに、ここで辞めるの?」
ということもありますが、それは見返りを求めているからです。

僕も会社が大変なときや落ち込んだとき
これだけやったつもりだけど社員から文句を言われたりしたときは
「一人で経営、少人数でやるほうが気楽だ」と思った時期もありました。

ただ、最近歌手のKOKIAさんとお会いしました。
来年25周年ということでゲストアーティストとして来ていただけます。

KOKIAさんも来年20周年です。
お話しする中で響いた話がありました。

KOKIAさんも親しい人を亡くされたことがあるそうです。
そういったことがあって、30代前半が一番辛い時期だったんじゃないかと思います。

その中で旅列車という曲があって、その曲を作ったいきさつというのを聞きました。
落ち込んでいたときにある方からこういうことに言われたそうです。

「KOKIAさんの列車は走って止まらないんですよ。
隣に座る人も、走っている途中に変わってるかもしれない。
でも同じ列車に居合わせた人達とKOKIAさんの列車は走っている。
どこが終着点かわからないけれど、走ってるんですよ」と
言われてすごくピンときて曲にした、忘れないために。
走りたくないときもありますが、もう走っている。

皆さんひとりひとりの人生もそうです。
ドクターリセラという列車に乗ってくれて、同じ車両に乗ってる人達です。

人が増えると全員が同じ価値観で仕事をできるわけではないので
同じ列車の中でもぶつぶつ文句を言う人がいたりして嫌になるときもあるのですが、
同じ目的があって同じ列車でご縁があって同じ方向に走っていく。

僕はよく船の話をしますが、KOKIAさんは旅列車という曲でそういうことを仰っていました。

僕もすごくそれに共感しました。
色々といいこともあるし悪いこともある、
人が増えると楽しいことも増えるけど、マイナスも増えていったりします。
両方わかった上で走っていく。

2018年に25周年を迎えます。
私もそういう気持ちで、できるだけ社員の皆さんに与えられるような会社になっていきたいと、
一生懸命やっていきますのでよろしくお願いしたいと思います。


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奥迫 哲也

ドクターリセラ
代表取締役社長

奥迫 哲也TETSUYA OKUSAKO

「全日本全身美容業協同組合」理事長
「財団法人 日本企業構造改革機構」理事

1964年、島根県江津市生まれ。
1993年、29歳で漢方薬局を開業。
1997年に株式会社シードとして事業拡大、
2000年にはエステティック事業部を発足させ、エステ業界に参入。
安全で結果が見える化粧品をコンセプトに自社製品の開発に取り組み、
2001年アクアヴィーナスシリーズ、2003年ADSシリーズ、
2017年Recella Divaシリーズ、2018年cocochiaシリーズを発表する。
製品は全国のエステサロン2875店舗(2018年8月末時点)を通じて販売し、業界初「これがないと困るスキンケア」調査開始以来全年連続1位にも選ばれる。また、「ベストアイテム」では3年連続受賞し、殿堂入りを果たす。

 

 

 

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