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  • 奥迫 哲也

言いにくい事をしっかりと言える


★お知らせ


言いにくい事をしっかりと言える(2017年6月22日の朝礼より)

当社はコミュニケーション費用を支給してまで
コミュニケーションをとってもらおうとしています。

なんのためにコミュニケーションをとるのかというと、
叱っても大丈夫な関係をつくる、言いにくいことを
言えるようになるという意味もあります。

何を言うかよりも
誰に言われるかということがすごく大事で、
いいことを言ってもその人が普段言動一致していなかったりすると
「何言ってるの」ということになります。

言う側も責任があるし、言う側の態度を改めることもあります。

じゃあ何故言いにくいのかということを考えたときに、
嫌われたくないからです。

好かれたい、傷つけるかもしれない、
そういうことを思ってなかなか言えません。

じゃあ何故嫌われたくないのかというと、
相手が大事だからです。

大事な人だとそうなると思います。
どうでもいい人だと言えるわけです。

これを伝えるテクニックをふたつ皆さんに伝えたいと思います。

以前経営者会議の懇親会で、
「鶴川さんは叱られたことがありますか?」と鶴川さんに質問がありました。
それに対して、「上司の嘉藤さんからすごくいい叱り方をしてもらえるので受け入れられる」と答えていました。

嘉藤さんは叱り方が上手です。
テクニック的にはサンドイッチ話法といいますし、
ツーストライクワンボールと表現する人もいます。

相手に言いにくいことを言う前に褒める。
褒めたあとに、言いにくいことを指摘して、また褒める。

鶴川さんいわくは、自分は褒められると弱いので、
指摘されても素直に受け入れられると言っていました。

サンドイッチ話法というのを、今話が出た嘉藤さんに実演してもらいましょう。
リセラでも代表的にちゃんと指摘が上手と実際に声も上がっていました。

嘉藤さんが辻野さんに「ダンボールの直置きについて」指摘するケースです。

「辻野さん、どう思う?」と指摘せずに問います。
直置きになっていますということと、
ルールが守られていないことと、対処する方法を言います。

—-実演——–

嘉藤さん「辻野さん、このダンボールの直置き、どう思う?」
辻野さん「片付けられてないです。」

嘉藤さん「せやね。本当はどうせなあかんと思う?」
辻野さん「本来は棚であったり、直置きをしないことと、
もしするのであれば期限と担当者を紙に書いて貼っておくということです」

嘉藤さん「そやね。今月すごいイベントが重なってて、たぶん現場のみんなも
忙しいと思うから本当にそこは感謝してるから、できるんだったら
張り紙をして、辻野さんだけがやるっていうのではなく、
辻野さんがリーダーシップをとって、嘉藤さんから言われた、ではなく
辻野さんが気づいた部分でパートナーの方とか増永さんにも言って、
推進としてできるように辻野さんがリーダーシップをとって
やっていってくれると自分もすごく嬉しいと思うので、
辻野さんが気づいたこととしてやっていってもらえたらと思うのでお願いします」

・・・・(嘉藤さんが心がけていること)・・・・
嘉藤さん「日頃の感謝の気持ちは伝えるようにしています。」

—-以上実演—–

嘉藤さんにオーソドックスな形で褒めることも入れながら
やってもらったんですが、人間関係ができていると
そこまでしなくても、たとえば辻野さんがしょっちゅう僕と
食べに行って家にも遊びに来て、気心がしれていると、
「辻野さんこれどう思う?ダメだよね、ちゃんとやっといて、以上」で済みます。

そこらへんの基本形です。
嘉藤さんは特に女性社員、新入社員に言うときなど、言う側の結構上司も気をつかっています。

昔の社員にも「あかんよ、そんなんしてたら。」というのがいました。

要するに褒める言葉も入れながら指摘するところは指摘する、
サンドイッチ話法のテクニックがひとつめです。

もうひとつが、さっき言った言いにくいことを言えないのは
嫌われたくない、傷つけるかもしれないというのがありますが、
そういうときに、相手を大事に思うからということを言いました。

一言で言うと「I(アイ)メッセージで伝える」ということがあります。

たとえば子育てをするときもそうです。

自分の子供がスーパーに行って迷子になった。

お母さんは心配で、子供が泣きながら現れたときに、
youメッセージで伝えるお母さんが多いです。

「何やってたの、ダメじゃないの勝手に離れたら!」と。

要するに「あなたがちゃんとしないと」とか、
「あなたが」でいうのがyouメッセージです。

Iメッセージでいうと「心配したわよ。よかったね無事で。
本当に心配したんだから」と、「私が心配をした」というIメッセージです。

これは実際にあった話ですが、
ある学校の若い新任の女性教師が、
高校の担任を持って、そして一生懸命やっていました。

そのときに職員室で校長先生からすごく叱られました。
「あなたの担当しているクラスが一番掃除がダメだね。
どこよりも一番ひどい」と言われたそうです。

その若い担任の先生は悔しかったし腹も立ったのですが、
生徒にどういうふうに言うかという、実際にあった話で、
ある心理カウンセラーから聞いた話です。

若い女性の教師は生徒にこう言いました。

「みなさん、話があります。実は事実をそのまま言うと、
私は新しく初めて担任をもって頑張っているんだけれど、
校長先生から「あなたの担任しているクラスが一番
掃除がなっていない。」とすごく叱られました。
すごく先生は悲しかった。

まだ私の指導不足や力不足もあるので、みんなは
いろんなことができる力があると思うけど
私は力が足りないばっかりにそう指摘されて

先生はすごく悲しい、悔しい、なんとかしたいと思っているけれど、
先生が新しく担任になったばかりで力不足でごめんなさい。
そういうことがあったので、私は残念に思いました」
という話をしたそうです。

決して相手にああしろこうしろとは言っていません。
私は残念だった、私は悔しかった、事実を伝えて私はこうだった。

それでどうなったかというと、生徒のうちのひとりふたりが
動き出して「ちゃんとやろうよ。」ということになり、
自主的に動き出して、掃除が一番きれいなクラスになったという実話があります。

これもIメッセージの実例です。
たとえばメンバーや部下の人に「こうしないとダメだよ。」
ではなく「私はこう思う。」という伝え方です。

伝えにくい場合に、この場合どんな心理かというと、事実を述べる。
自分の心境を述べる。あとはどうなるかわからない。
あとはおまかせという心理です。

たとえばいやなことを言う場合に、
自分の部下が口が臭かったとします。

口が臭かったときに「あなたちょっと口臭いよ。」と言うのは言いにくいです。
でも、それはその人のためだし、どう思われようが私はそれはおまかせする、
悪くとられたらしょうがないというようなことがIメッセージです。

さっきの嘉藤さんのサンドイッチ話法でいうと、
「最近すごく肌が白くなってきれいだよね!ひとつ気になることが
あるんだけれど、口臭が気になるんだけど、
僕の気のせいかな?自分じゃ案外わかりにくいから、
一度専門の機関で見てもらうとか、他の人に聞いてみたらどうかな?

◎◎さんがそういうふうに思われるともったいないと思うんで、
いつも身なりもきれいにしてちゃんとしてるのに
口臭だけで印象悪くなるのはもったいないと思ったんで、
検査してみたらどうかな?」

という、サンドイッチ話法も使いながら、
自分はこう思うと伝えていくIメッセージがあります。
なかなかIメッセージは伝えにくいです。

今日は言いにくいことをしっかりと言えるという、
リーダーシップという側から見たことです。
リーダーはそういうことを言えるのが大事です。

だけど、メンバーの側からいうと、
リーダーの立場に立たないとわかりにくいかもしれませんが、
言いにくいことは勇気のいることです。

僕が新入社員とか上司が、なかなか嘉藤さんのような上司は少ないです。
本当にストレートに叱られます、大阪ですからね。

僕が薬局で「いちまん、せんひゃくえんです」というと、
「いちまん、いっせんと言うんだ!」という世界です。

あとレストランにいたときにフライパンで
ハンバーグとか目玉焼きを作っていましたが、
オーダーを取り間違えると皿を投げられます。

褒められませんよ、なかなか。
「君、いつもちゃんとオーダーとってくれてありがとう!
ただ、惜しいな、今日はひとつ間違えたね。
君はいつもよくできるから…」となかなか言ってくれません。

嘉藤さんみたいな人は少ないです。
リセラの先輩社員は優しい人が多いです。
リーダーの立場からいうと時間がないときはなかなか言えません。

普段コミュニケーションをとっていれば
そこらへんをカバーできるし、言われた側は
言う側の立場を考えてありがたいと思える人間になってほしいです。
そのときはムカつくかもしれません。

僕を叱ってくれる人、言いにくいことをはっきり
言ってくれる人が何人かいますが、
そのうちの一人が武蔵野関係のお好み焼き屋さんの金原社長です。
いつもズバズバ言ってくれるので刺激になります。

僕はリュックを背負っていました。
「最近リュックを背負っている人多いね。流行ってるの?」と言われました。

「結構多いですよね」と答えると
「でも似合わんな」と言われました。
なかなかはっきり言ってくれました。

それで「ムカつく!」と思うのか、「僕にちゃんと言ってくれる
人って少ないからありがたい」と思うのか。

過ぎると叱るのも面倒、エネルギーの無駄になります。
最近僕は二村さんを叱るエネルギーがなくなってきました。

ただ頑張っているので、深い井戸ほどきれいな水が出る、
6回言って60%理解できると信じて、20年近くやってきて
まだまだ水に到達していませんが、根気強くやっています。

リーダーシップの立場の人と、逆の立場の人で違うかもしれませんが、
お互いが思い合うことによってコミュニケーションでいい組織、
いろんな人が集まってますので、全部が全部仲良しクラブではないので
うまくいかないこともあるかもしれませんが、
コミュニケーションはすごく大事ですので、
テクニックをふたつ伝えましたので、現場で是非使ってください。

SNSSHARE

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COLUMNIST
奥迫 哲也
ドクターリセラ
代表取締役社長
奥迫 哲也
TETSUYA OKUSAKO
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「全日本全身美容業協同組合」理事長
「財団法人 日本企業構造改革機構」理事

1964年、島根県江津市生まれ。
1993年、29歳で漢方薬局を開業。
1997年に株式会社シードとして事業拡大、
2000年にはエステティック事業部を発足させ、エステ業界に参入。
安全で結果が見える化粧品をコンセプトに自社製品の開発に取り組み、
2001年アクアヴィーナスシリーズ、2003年ADSシリーズ、
2017年Recella Divaシリーズ、2018年cocochiaシリーズを発表する。
製品は全国のエステサロン2875店舗(2018年8月末時点)を通じて販売し、業界初「これがないと困るスキンケア」調査開始以来全年連続1位にも選ばれる。また、「ベストアイテム」では3年連続受賞し、殿堂入りを果たす。

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