「働くこと」中野 裕弓

若い頃、年輩の方から聞いたことがあります。

「働くとは傍(ハタ)を楽(ラク)にすることなり」

今、街行く人に聞いたら
「働くとはお金を稼ぐために(仕方なく)やるもの」
なんて答えが返ってきそうですが…

ノーベル賞を受賞した研究や文化的、社会的活動をみても、
人類の進化に貢献する偉業に従事された方々の高い志と誇りを感じます。

周りの同胞や、地球の後継者たちが生きやすい世界を創るために
自分の能力を使うことは まさにハタをラクにすることですね。

〜〜〜〜

まずはこんなたとえ話から。

暑い夏の日。
田舎の道を旅人が汗を拭き吹き歩いていきます。

遠くに人が働いているような賑わいがあります。
近づいて行きました。

塀のようたものを作っている人がいました。
旅人は声をかけました。
「暑いですね〜、何をしているんですか?」

「見ればわかるでしょ。レンガを積んでいるんだ。
邪魔しないでとっとと行ってくれ」

「すみません、お邪魔しました」

しばらく行くと別の人が働いていました。
「暑いですね〜 何をしているんですか?」

その人は手を止めて汗をぬぐいながら
「暑いね〜、今、レンガを積んでいるんだよ。
僕はレンガ職人でこれで妻と子ども2人の家族を養っているのさ」

「そうでしたか。お邪魔しました。頑張ってください」

またしばらく歩いて行くと、別の人が見えました。
「暑いですね〜 何をしているんですか?」

その人は手を休めて笑顔で答えました。
「あなた今、あっちから来ましたね。
途中、私のようなレンガ職人が何人も塀を作ってたでしょ。
ここには学校ができるんだよ。
今までは大雪の冬は親元を離れて町の親戚の家に寄宿していたんだ。
これからは一年中子どもたちは家から学校に通えるようになる。
子どもたち喜ぶだろうな」

目を輝かせながら話してくれました。

この3人のレンガ職人さん。
やっていることは外から見るとみな同じに見えます。
でも仕事に向かう意識はこんなにも違うのですね。

彼らは何が違うのでしょう。

あなたは今の職場で、何番目のレンガ職人さんでしょうか。

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中野 裕弓

人事コンサルタント
ソーシャルファシリテーター

中野 裕弓HIROMI NAKANO

19歳で語学研修のためロンドンに渡り、その後9年に及ぶ英国生活を経て、
東京の外資系銀行、金融機関にて人事、研修などに携わる。

1993年、ワシントンD.Cにある世界銀行本部から、日本人初の人事マネージャー、人事カウンセラーとしてヘッドハントされ世界中から集まったスタッフのキャリアや対人関係のアドバイスに当たる。

現在は一人ひとりの幸福度を上げるソーシャルリース(社会をつなぐ環)という構想のもと、企業人事コンサルティング、カウンセリング、講演、執筆に従事。 また2001年に世界銀行の元同僚から受けとったメッセージを訳して発信したものが、後に「世界がもしも100人の村だったら」の元となったため、原本の訳者としても知られる。

「自分を愛する習慣」をはじめ、幸せに生きるためのアドバイスブックや自分磨きの極意集、コミュニケーションスキルアップの本など著書多数。

2014年の夏、多忙なスケジュールの中、脳卒中で倒れ5ヶ月の入院生活を経験する。
現在はリハビリ療養の中で新しいライフスタイルを模索中。脳卒中で倒れたことが人生をますます豊かで幸せなものにしてくれたと語る。

 

 

 

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