考えることをやめる

年の瀬も近づいてくると、今年はどんな年だったのか反省も含めていろいろ考えます。

真面目な人ほどいろいろ考えすぎる傾向にあります。

同じ考えるという行為なら
後ろ向きのことよりも前向きな未来思考、ポジティブ思考にエネルギーを使いたいと思います。

しかし人は窮地に陥ると、なかなか未来思考に切り替えられず
くよくよと起こってしまった過去のことにばかり考えを巡らしがちです。

かく言う私も、5年前に脳卒中で倒れて病院の天井ばかり眺めていた頃、
ポジティブな思考を心がけましたが、夜になるとあれこれ心配事で眠れないことがありました。

自分は一体いつ回復するのだろうか、体が不自由になったらこれからの生活どうしよう、
これからの経済活動はどうなるの、夢は諦めなければいけないのか等々。

夜中に祈りました。
私を助ける言葉をくださいと夢中で祈っていました。

そしたらその時、ふと頭に浮かんだ言葉は「ドントシンク」Don’t thinkでした。
考えるな? ん? どういうこと?

ドントシンク

あれこれ考えるのをやめる
意識して思考にストップをかける、頭を休ませて、と言うものでした。

確かに思考が後ろ向きになったなら、その途端、思考をそこで止める。
思考に蓋をしてそれ以上考えないことが健康上にもいいのですね。
よく眠れるようになりました。

それ以来、マイナス思考にスイッチが入ったら、
意識的に考えることをやめるという行動パターンを手にしました。

そして目の前の他愛のないことに注意を向けるのです。
野菜を切ったり、引き出しを片付けたり、お風呂の掃除をしたり、猫の相手をしたり…

すると自分の周りにとても穏やかな聖域が広がっていきます。
心が落ち着いてフィールグッドに包まれます。

ドントシンクは現場逃避とは違い、状況は認識するがそれ以上の感情を揺らさないので楽です。

ドントシンクはその他の面でもとても役に立ちます。
例えば周りに起きた出来事に怒りが湧き上がりそうなときもドントシンク。
思考をそこでスイッチオフ、止めてしまうのです。
気持ちの切り替えも上手くなってきます。

世の中にはひとりではどうしようもないこともあります。
それに対してあれこれ考えを巡らせ憤慨したり、
悲嘆したり、他人を責めたり、落胆したり、激怒したり
そんなふうに感情を振り回して1人で疲れる必要はありません。

夜中の病院のベッドの上でもう一つこんな言葉が浮かびました。

それは「ジャストスマイル」Just smile ただただ笑っていて。
これが浮かんだとき私は思わずクスっと笑ってしまいました。

ただただへらへらと笑っているだけで、
ダダ漏れしていたエネルギーを温存できる気がします。
加えて「笑う角には福来たる」となったらしめたものです。笑

自分の状況を真剣に悩んであれこれ考えていたことが、笑いが生まれたことでふっと緩みました。

窮地に陥った私を助けてくれる言葉が実際的なこと、
例えば今後のために何かを始めるとか、誰かに助けを求めると良いとか、
誰かに相談して、何かを変えるとか諸々…ではなくて

● Don’t think
● Just smile

この2つだったのは予想外でした。

ドントシンク、ジャストスマイル
この2つはどうにもならない窮地を乗り切るときに最強のペアだなぁと後に気がつくのです。

1日24時間、起きているときは私たちはたくさんの思考の海の中を泳ぎます。
1分間に何十もの考えが頭を行き交うとも聞いたことがあります。

それをしばし休めるために瞑想やヨガや太極拳はとても助けになります。

同様にマイナス思考に傾きかけた途端にまじないのように
ドントシンク、ジャストスマイルを口に出して意識を切り替えることもお勧めです。

また、あなたが考える(イメージする)その世界にあなたは自分自身を見つけることになる、とも思います。

例えば、いつも最悪の事ばかり想定してる人は、
その人の人生を外から見ていると確かに波瀾万丈で最悪に近いことが次々と起こっています。
まるで最悪な事態が大好きな人のように見えてきます。

一方いつも思考を前向きなことにだけ使っている人は、
何が起きても何とかなる、うまくいく、楽しそうに暮らすことになるのです。

その時は事実がどうであるかではなくて、あなたがそれをどう理解するのかの問題なのですね。

1年の終わりが近づいていろいろ考えることも多くなります。
意識して未来思考、ポジティブ思考に切り替えましょう。

でもしマイナス思考に流そうだったら意識して止めてくださいね。
思考のエネルギーを無駄遣いしないように。

中野 裕弓

人事コンサルタント
ソーシャルファシリテーター

中野 裕弓HIROMI NAKANO

19歳で語学研修のためロンドンに渡り、その後9年に及ぶ英国生活を経て、
東京の外資系銀行、金融機関にて人事、研修などに携わる。

1993年、ワシントンD.Cにある世界銀行本部から、日本人初の人事マネージャー、人事カウンセラーとしてヘッドハントされ世界中から集まったスタッフのキャリアや対人関係のアドバイスに当たる。

現在は一人ひとりの幸福度を上げるソーシャルリース(社会をつなぐ環)という構想のもと、企業人事コンサルティング、カウンセリング、講演、執筆に従事。 また2001年に世界銀行の元同僚から受けとったメッセージを訳して発信したものが、後に「世界がもしも100人の村だったら」の元となったため、原本の訳者としても知られる。

「自分を愛する習慣」をはじめ、幸せに生きるためのアドバイスブックや自分磨きの極意集、コミュニケーションスキルアップの本など著書多数。

2014年の夏、多忙なスケジュールの中、脳卒中で倒れ5ヶ月の入院生活を経験する。
現在はリハビリ療養の中で新しいライフスタイルを模索中。脳卒中で倒れたことが人生をますます豊かで幸せなものにしてくれたと語る。

 

 

 

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