がんと生活習慣について

乳腺専門医である南雲先生に、今回は『がんと生活習慣』についてインタビューを行いました。


◆がんが増えた一番の原因は食生活でしょうか。

「がん」というのは生活習慣病です。
日本では、がん予防の食事と運動に関する指導が今まで行われてこなかったため、患者数が減少しないのが現状です。
2018年5月の『乳がん学会』のガイドラインでは、「食事と運動によって再発率・生存率が改善する」と発表されました。
今後、がんの専門病院では食事と運動の指導が必須となってくるでしょう。


◆食事指導とは、主にどのようなものでしょうか。

ガイドラインでは、肥満や糖尿病、飲酒や喫煙ががんの再発率・死亡率に悪影響を及ぼすと発表しています。逆に、肉や乳製品、大豆のイソフラボンを摂取すること、有酸素運動や早寝早起きをすることが良い影響をもたらすといわれています。

またガイドラインでは「抗がん効果のあるサプリメントは見つかっていない」といっていますが、唯一「ビタミンD」だけは不足によってがん死亡率が1.7倍、十分にあれば乳がん死亡率は0.58倍、大腸がんは0.62倍に減少することが証明されています。


◆ビタミンDはどうやったら摂れますか?

ビタミンDは食事にはほとんど含まれていません。
しいて言えば、きくらげや干しシイタケ、あん肝、イワシなどに含まれています。
ただ、含有量がトップクラスのきくらげでも毎日80g、水でふやかしたらどんぶり一杯食べる必要があるので、食事で摂ろうとするのは難しいですね。
だからこそ、日光浴やサプリメントを活用して欲しいですね。


◆先生の著書の中に、「旅の魔物は自分の中に潜んでいる不安だ」という文言がありました。
気持ちの持ち方やストレスはがんに影響しているのでしょうか。


「ストレスでがんになりやすくなるのか、再発しやすくなるのか」という質問に対して、回答はYESです。

デスクワークで疲れが溜まっている女性の画像

動物はストレスに打ち勝つために、「副腎」という組織から「アンドロゲン」という男性ホルモンを出します。

普段は出ていないのですが、失恋したり試験勉強をしたりストレスを与えられると、顔中にニキビが出たり、髪の毛が抜けたりしてしまいますよね。

これは、「アンドロゲン」が過剰に分泌されたことによるものです。

「アンドロゲン」は乳房において「エストロゲン」という女性ホルモンに変わります。乳がんの3分の2は女性ホルモンによって発育しますので、強いストレスを受けると乳がんが成長するということになるのです。

また、ほとんどの皆さんが、がんと宣告された時にショックを受けて、思考と行動が停止し、強いストレスを受けてしまいます。

それによってセカンドオピニオンを受けずに手術を受けてしまい、治療の内容に不満を抱えたままで過ごすことになると、更なるストレスを生んでしまうのです。

がんの生存率と生活の質をあげるためには、食生活と気持ちのあり方を見直すことが大切なのです。

胸に手を当てている女性の画像


【編集後記】
今回は南雲先生にがんと生活習慣についてインタビューをさせていただきました。

改めて、食生活や気持ちの持ちようが健康に関わっていることを痛感しました。

日々の過ごし方や考え方を、再度見直していくことが大切ですね。

南雲先生、貴重なお時間を有難うございました。

南雲 吉則

医師 乳腺専門医
博士

南雲 吉則YOSHINORI NAGUMO

1955年生まれ。乳腺専門医、医学博士。慈恵医大・近畿大学の非常勤講師、韓国東亜医科大学・中国大連医科大学の客員教授。慈恵医大学卒業、東京女子医大形成外科、癌研究会付属病院外科、慈恵医大学第一外科乳腺外来医長を経て、バスト専門のナグモクリニック院長。 「女性の大切なバストの美容と健康と機能を生涯にわたって守る」をモットーに札幌・東京・名古屋・大阪・福岡の5院を飛び回る。がん患者の命を救う食事と生活術「命の食事」を提唱。テレビ出演・著書多数。

 

 

 

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