Show and tell

この春、大きなランドセルを背負った新1年生が“大人が作る社会”にデビューしました。

今年はあらゆる場面で、今までとは違う生活様式になり大人は少々困惑気味です。それは常に過去の前例と今を比べようとするからだと思います。

今までだったら入学式は学校でも家庭でももっと大きなお祝いができたのに、在校生もみんな揃って新1年生を盛大に迎えることができたのに…

でも初めての人生のイベントを迎える子どもたちにしてみると案外上手に目の前の状況に順応しているようです。

比べる過去がないというのはなんでも新鮮でいいですね。

子どもたちを育む学校教育の環境は数年前から大きく変わろうとしています。
加えて昨年からのコロナ禍もありリモート授業という新しい学びのレパートリーも始まりました。

何があっても…
学ぼうとする子どもたちの意欲をまっすぐ応援できるように大人は考えていかなければ、ですね。

何があっても…
子どもたちが自立して自分の人生を切り開いていけるように大人はしっかりサポートしていかなくては、ですね。

そのためにも大切なのは…

1、自分はどうしたいのか、何をやりたいのかをしっかり考えること。何事にも自分の気持ちをはっきり持つこと。

2、自分の考えを、自分の言葉で表現することの大切さを知ること。

それを幼いうちから体験させてあげることは大事ですね。

そこで思い出すのはイギリスやアメリカで見てきたShow and tellのこと。それは文字通り”何かを見せて語る”ことです。

例えば先生が「月曜日にはShow and tellしますので用意してきてね」と言います。

月曜日には、自分の週末のことについて何かを見せながらみんなの前で自分の言葉で体験を語るのです。

それがその後、社会でもビジネスでも必要とされる「プレゼンテーション」(人に知ってもらいたいことを自分で表現すること)の第1歩です。

例えば、

「土曜日におじいちゃんの家に行きました。そこで虫取りのやり方を教えてもらいました」と、虫かごを見せて誇らしげに話し始める子。自分が体験したこと、思ったことを話します。

それはその子独自の体験から出ていることなので、他の人が正しい正しくないと言う領域ではありません。他人に否定されることなく、のびのびと自分の感じたことを話せます。

「週末は家族と一緒に海に行きました。この貝殻はそこで見つけました。これを耳に当てると海の音がするの」と言う子もいます。

貝殻で本当に海の音が聞こえるかどうかではなく、海の音が聞こえたと言う自分の体験を語るのですから人がどう思うかを気にすることなく自信を持って自由に語ります。目がキラキラして嬉しそうです。

学校教育と言うのはとかく”正解”を求めることを教えます。テストで正解を答えることに重点を置いて、間違いや失敗を避けようとしてしまいます。

ですが、何が正しいか、どの情報が正解かということにばかり気をとられていると、自分が感じていることをそのまま口に出すことが難しくなります。

自分が言うことが正しいのだろうか、他人にどう思われるのか、人の思惑が気になって仕方がありません。

だからこそ、幼い頃から

正しいか正しくないかではなく、また外から得た知識だけを語るのではなく、自分はどう思うか、どう感じたかを自由に語る、そういう安心で安全な場を作ってあげるのが大事だと思うのです。

家庭でも、
・自分が体験したことを、
・自分の感じたままに、
・自分の言葉で表現すると言う習慣ができたら…
その子の将来は自分らしく自由に切り開いていける夢と希望の多いものになるに違いありません。

どっちが良いの?
正解は何?
誰が悪いの? ではなく、

あなたはどう思う?
あなたはどうしたいの?

と言う優しい質問が飛び交う環境を作ってその子の個性を伸ばしてあげたいと思います。

ピカピカの新一年生、
(そしてピカピカの新社会人も)

あなたの人生、あなた次第、自由自在です。

Feel Goodな 幸せいっぱいの人生を…

中野 裕弓

人事コンサルタント
ソーシャルファシリテーター

中野 裕弓HIROMI NAKANO

19歳で語学研修のためロンドンに渡り、その後9年に及ぶ英国生活を経て、
東京の外資系銀行、金融機関にて人事、研修などに携わる。

1993年、ワシントンD.Cにある世界銀行本部から、日本人初の人事マネージャー、人事カウンセラーとしてヘッドハントされ世界中から集まったスタッフのキャリアや対人関係のアドバイスに当たる。

現在は一人ひとりの幸福度を上げるソーシャルリース(社会をつなぐ環)という構想のもと、企業人事コンサルティング、カウンセリング、講演、執筆に従事。 また2001年に世界銀行の元同僚から受けとったメッセージを訳して発信したものが、後に「世界がもしも100人の村だったら」の元となったため、原本の訳者としても知られる。

「自分を愛する習慣」をはじめ、幸せに生きるためのアドバイスブックや自分磨きの極意集、コミュニケーションスキルアップの本など著書多数。

2014年の夏、多忙なスケジュールの中、脳卒中で倒れ5ヶ月の入院生活を経験する。
現在はリハビリ療養の中で新しいライフスタイルを模索中。脳卒中で倒れたことが人生をますます豊かで幸せなものにしてくれたと語る。

 

 

 

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