それは秋うつ!?早期に不調を察知して健やかな人生を。

秋になって涼しい過ごしやすい日が増えてくると、食欲が増し調子がよくなって活動的になる人がいる一方で、気分が落ち込んだり、わけもなく不安になったり、何も変わったことはないはずなのに涙が出てきたりと、鬱に似た症状を訴える人も増えてきます。

この症状は「秋うつ」と呼ばれ、実は意外と多くの方が経験したことがある不調です。
もし少しでも思い当たる兆候があったら、ぜひこの記事を読み改善する方法があることを知ってください。この時期のうつに似た症状は、変わりゆく季節に必死に適応しようとする脳や身体のお疲れのサインです。

ぜひ、「秋うつ」のメカニズムを知って豊かで実り多い秋を前向きに楽しんでいただけたらと思います。

秋うつはなぜ起こるの!?

まず、「秋うつ」がこの時期に起こる原因についてご説明します。

秋は夏に比べて、日照時間がグッと減ると同時に、秋雨前線や台風などの影響で気圧も不安定になりがちです。また、朝夕と日中の気温差が激しく、身体がその変化に適応するため必死でバランスを取ろうとしています。

私たちが頭で認識する以上に、身体の中では様々な変化が起こり、来たる冬に向けての準備を始めているのです。

ところが、そんな体内の変化に関わらず、夏と同じような勢いで仕事や飲み会などの付き合いを継続して忙しくしていると、寝不足や疲労が蓄積され、夏のダメージが回復されないまま秋のダメージが重なって行きます。

そうすると、体内のバランス調整の限界を超えてしまい、様々な調子が狂ってきます。これが「秋うつ」です。

具体的にどのような状態かと言いますと、「セロトニン分泌が不足している」「自律神経が乱れている」状態です。
では、このふたつが起こることで、どのような症状を引き起こすか、もう少し詳しくご説明しましょう。

秋うつが発症したときに起きていること

「秋うつ」が発症したとき、体内では「セロトニン分泌が不足している」「自律神経が乱れている」状態になっています。

「秋うつ」は別名「季節性感情障害(SAD)」や「冬季うつ病」とも呼ばれ、9月から10~11月頃にかけてその症状が酷くなり、2〜3月頃には自然と治まるのが一般的です。

それでは、それぞれの状態は具体的にどのようなメカニズムで発生し、どのような症状を引き起こしているのでしょうか?

実は詳しいメカニズムはまだ明らかにされていない部分も多く、今も研究が進められていますが、いくつかハッキリとした原因があることはわかっています。

セロトニン分泌が不足しているとき

セロトニン分泌の不足は、日光を浴びる時間が減少することが引き金となります。

先にも述べたとおり、秋には急に日照時間が少なくなります。

東京などの都市部を例にあげても、一年の中で6月と9月が最も日照時間が少なく、その時期には、気分の落ち込みや倦怠感、気力の低下、過眠、過食など、鬱に似た症状を訴える人が増えます。

私たちは日光を浴びることで、脳内でセロトニンが分泌されます。セロトニンは、別名「幸せホルモン」と呼ばれ、セロトニンがじゅうぶんに分泌されている状態では、人は安心感に包まれ満たされた穏やかな気分になります。

逆に不足していると、イライラしたり悲観的になったり、正常な判断ができなくなったりします。うつ状態の人はセロトニンが不足していることがわかっています。

秋になり太陽の光を浴びる時間が急激に減ることにより、脳内でのセロトニン分泌が減ります。また、セロトニンが不足することで、セロトニンを原料として生成されるメラトニンという物質の分泌も不安定になります。

メラトニンは、季節のリズム、睡眠と覚醒のリズム、ホルモン分泌のリズムといった概日リズム(サーカディアンリズム)を調整する作用があり、メラトニンの分泌は主に光によって調節されています。

朝光を浴びないでいると夜に眠くなる信号が送られず、夜更かしになります。そして、夜中でも強い照明の中にいると体内時計の働きが乱れてさらにメラトニンの分泌が抑えられ、睡眠の質が低下していきます。

これが睡眠覚醒リズムが乱れる悪循環を引き起こす原因となります。

日照時間が短くることで、うつ状態になりやすくなるうえに睡眠の質が悪化し、過眠やだるさにつながるのです。

ですから、「秋うつ」はセロトニン不足と深く関わりがあるのです。

自律神経が乱れているとき

昼夜の気温差が大きくなったり、気圧の変化が激しくなることにより、自律神経が乱れ精神的に不安定になるのも「秋うつ」の引き金になっていると考えられています。

寒暖差や気圧の変化に身体は必死で対応しようとします。

このとき、夏の間の疲れがまだ回復し切れていないと、身体には非常に負担がかかります。既に自律神経が乱れかかっているところへ、より自律神経のバランスを揺さぶる条件が揃ってきます。自律神経は循環器や消化器などの活動を調整している神経でもあるからです。

また、現代社会に生きる私たちは、慌ただしい日常生活や多忙な仕事に追われていると、交感神経が優位になりがちです。副交感神経が働く隙もなく、交感神経がフル稼働している状態が続くのです。その結果、うつ以外にも様々な不調があらわれます。

自律神経の乱れによる「秋うつ」には、だるい、疲れやすい、肩こりや頭痛、食欲不振、胃もたれ、眠れない、たくさん寝ても眠い、立ちくらみ、耳鳴り、便秘、下痢など様々な症状があります。

秋うつを予防するために

では、「秋うつ」を予防するためにはどうしたら良いのでしょう?

また、鬱の症状が出てきてしまったとき、どのような対策を取れば改善していけるのでしょうか?

ひとつには、日々の仕事や家事などの手を抜くことです。また、外食や飲み会などの仕事上の付き合いを減らすことです。

私たちは普段、交感神経が優位になりやすい環境を自ら選んで身を置いています。それは、現代社会において「何もしないで一日をゆったりと過ごすこと」「気のおけない仲間と好きな場所で好きな時間に好きなことをやること」がまるで悪いことのように認識され、非常に難しいことになっているからです。

若い世代の方には特に、常に完璧であることや、予定がぎっしりと詰まって多忙であることを求める傾向がありますが、実はそれが心身の不調を招く原因になっているとは思いもよらない人が多いのではないでしょうか?

忙しい日々を過ごしていると、緊張感を保ったり、興奮させたり、戦いに挑む時のモードである交感神経が常に優位な状態になり、副交感神経の働いている時間がほとんど無いことになってしまいます。そうすると、アクセルが踏まれ続けエンジンが常に稼働している状態となり、ガス欠が起こるのです。これが「うつ」です。

心のエネルギー量が減っているときには、エネルギーを補給する時間が必要です。エネルギー不足のまま走り続ければ、ストレスに弱くなり、ダメージを跳ね除ける力も抑制され、しまいには故障が起きます。

「秋うつ」を予防したり、症状の悪化を抑えるためには、日頃のストレスをこまめにクリアにしていくことが大切です。

1日の間に10分〜30分程度で良いので、副交感神経が優位になる状態を意識的に持つようにしてください。

秋鬱を改善するには

秋うつを改善する方法

「秋うつ」には、気候や気圧の変化による自律神経の乱れと日照時間の減少を原因とするセロトニン不足が、深く関わっています。

ですから、セロトニンの分泌を活性化することで、「秋うつ」の症状は徐々に改善していくことができます。

セロトニンの分泌を活性化するにはどんなことをすれば良いのでしょうか?

①朝早く起きて日光を浴びる

私たちの身体には、概日リズム(サーカディアンリズム)を調整する作用が備わっています。メラトニンがその鍵を握っており、メラトニンの分泌はセロトニンを原料としています。また、朝に日光を浴びることで脳が正しいサイクルにリセットする仕組みになっています。そのため、太陽が登っていく時間に起きるようにし、目が覚めたらカーテンを開けて太陽の光を目から取り込んでください。できれば10~15分程度、外でに出て日光浴をすると尚良いです。

②適度な運動を続けて行う

毎日、適度に身体を動かすことは、「秋うつ」だけではなく、うつ病の症状改善に効果があるとされています。

特に単純な反復運動やリズム運動、ウォーキングやランニング、水泳といった有酸素運動が効果的です。定期的な運動は食事のリズムを整えたり睡眠サイクルの安定にもつながります。

運動があまり得意でない方は、室内で簡単なストレッチやヨガなどをするだけでも構いません。継続して行うのがコツですので、決まった時間に行うなど習慣にしてしまうのが良いでしょう。

③セロトニン分泌を促す食事を摂る

セロトニンは脳内で作られ、その合成には必須アミノ酸のトリプトファンが使われますが、トリプトファンは体内で生成できないため食事から摂る必要があります。

日中に生成されたセロトニンは、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化します。そのため、セロトニン不足に陥りやすい秋以降は、夜になっても眠れないとか、睡眠の質が落ちたりしますので、トリプトファンを含む食品を意識的に摂取しましょう。

トリプトファンを含む食品は、魚、肉類、豆腐・納豆・味噌・しょうゆなどの大豆製品、チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、バナナ、アーモンドなどのナッツ類、ゴマ、米などです。

つまり、季節のいろいろな食材や主菜をバランスよくきっちり摂っていれば、セロトニン分泌を自然と促してくれるのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「秋うつ」は多くの方が経験したことがある不調ですが、その最中には気が付かず自然と治ってしまうことも多いようです。ただ、この不調を放っておくと深刻なうつを引き起こすこともあるため、安易に捉えることもできません。

ご自身の身体の微妙なサインを早期に察知し、労ってあげることで「秋うつ」は回避できます。ぜひ、「秋うつ」のメカニズムと生活習慣の因果関係を知っていただき、自然の変化をゆったり味わいながら楽しむ余裕のある日々を送っていただけたらと思います。

もし、対策を講じても改善が見られない時は、一人で悩んだり我慢せずに医療機関にご相談ください。

 

 

 

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