貧血の原因ってなに?○


 

貧血は女性がなりやすい疾患です。貧血が重いものになると、身体を起こすことすら辛いときもあり、家事や仕事などに支障をきたしたり、いつも通りこなせなくて自分を責めてしまう人もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、辛いと感じる貧血の原因や症状などについて、少しでも症状を和らげたり、改善していく秘訣などをお話していきたいと思います。

 

貧血の主な原因

貧血の原因は数多くありますが、ほとんどの場合は次の3種類に分類されます。

 

●失血(大量の出血)

大量の出血によって貧血が起きる場合は、けがや手術の場合にみられるように突然の外的要因で出血することも挙げられますが、徐々に繰り返し発生する出血がある場合は、自覚症状がない場合もあり注意が必要です。

典型的な原因は、消化器や尿路の異常による出血や重度の月経出血です。慢性的な出血があると体内の鉄分が減少し、貧血による症状がさらに悪化します。

 

●赤血球の産生不足

体が十分な量の赤血球をつくれないことも、貧血の原因になります。

赤血球の産生には多くの栄養素が必要で、特に重要な栄養素は、鉄、ビタミンB12、葉酸の3つです。また、ビタミンC、リボフラビン、銅もごく微量ながら必要なほかに、適切なホルモンバランス、特に エリスロポエチン(赤血球の産生を刺激するホルモン)も重要となってきます。

これらの栄養素やホルモンがないと、赤血球の産生速度や産生量が低下し、赤血球が変形して酸素を十分に運べなくなったりします。

その他に、慢性疾患も赤血球の産生に影響する場合があります。白血病、リンパ腫、他の部位から転移してきたがんなどが骨髄に浸潤して、骨髄のスペースが置き換えられてしまうケースです。これにより、赤血球の産生が著しく低下することがあります。

 

●赤血球の大量破壊

赤血球が破壊されすぎた場合も、貧血になることがあります。

通常、赤血球の寿命は約120日間ですが、この寿命に近いものや寿命を過ぎた赤血球は、骨髄、脾臓、肝臓にある貪食細胞に取り込まれて破壊されます。

寿命に達していない赤血球が破壊されると、それを補おうとして骨髄は新しい赤血球の産生を促します。赤血球の産生を上回るペースで破壊が行われてしまうと、溶血性貧血が起こります。

溶血性貧血は、過剰な出血や赤血球産生低下による貧血に比べると、比較的起こりにくい貧血です。溶血性貧血は、赤血球自体の異常から生じることもありますが、より多いのは赤血球を破壊する別の疾患に起因するものです。

 

貧血の症状とは

貧血貧血とは、血

貧血とは、赤血球の数やヘモグロビン(酸素を運ぶ赤血球中のタンパク質)の量が少ない状態をいいます。
赤血球には、肺から酸素を運び、全身の組織に届ける役割をする「ヘモグロビン」というタンパク質が含まれています。

赤血球の数が減少したり、赤血球中のヘモグロビンの量が少なくなったりすると、血液は酸素を全身にじゅうぶんに供給できなくなります。

組織に酸素が十分に供給されないことにより、様々な貧血の症状が現れます。
貧血の一般的な症状としては、

●めまいや頭痛:脳の酸素不足
●息切れ
●倦怠感
●疲れやすくなる:心臓や全身の筋肉の酸素不足
●味覚がおかしくなる
●顔色が悪くなる:皮膚をめぐる血液の色が薄くなるため
●胸の痛み:心臓の筋肉の酸素不足、狭心症
●爪がもろくなる
●口角炎・舌炎
●飲み込みづらくなる

といったものがあります。

 

鉄分の種類

鉄分はひとことで言うと、体内の鉄分が不足した状態のことを言います。しかし、ひとくくりに「鉄分」と言っても2種類あり、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」が存在します。これらは同じ鉄分ですが、吸収率においては、ヘム鉄が約30%、非ヘム鉄が約5%とヘム鉄のほうが体内に取り込む効率がいいとされています。それは、非ヘム鉄は腸管から吸収される際に食物繊維やタンニンなどからの吸収阻害を受けるのに対し、ヘム鉄は鉄イオンがポルフィリン環に囲まれているため、吸収阻害を受けにくいためです。

鉄は小腸で吸収されますが、体内での吸収率は平均して約8%と非常に低く、欠乏しやすいミネラルです。
栄養素としての鉄は、ヘム鉄と非ヘム鉄の2つに分けられます。
ヘム鉄は肉類など動物性食品に多く含まれ、体内と同じくたんぱく質と結びついた形で存在しています。吸収率は約23%で、非ヘム鉄に比べて3~5倍効率良く吸収します。

非ヘム鉄は、野菜などの植物性食品に含まれる鉄で吸収率は約5%です。体内での必要量に応じて吸収量が変化するのは、主にこの非ヘム鉄です。非ヘム鉄は、妊娠時など必要量が増加する時には体内への吸収率がアップするといわれています。

鉄は金属の形のままでは吸収されず、吸収されるためには胃酸によって鉄をイオンの形に変える必要があります。

 

〇ヘム鉄

ヘム鉄は主に、動物性たんぱく質の食品に含まれています。豚レバーや鶏レバー、しじみやかつおなどに含まれています。

 

〇非ヘム鉄

非ヘム鉄は主に、動物性食品に多く含まれています。小松菜やひじき、あさりなどに含まれています。また、ビタミンCを多く含むキャベツやブロッコリーなどと一緒に摂ることで、吸収率を促進してくれます。

反対に、カフェインやカルシウムの多い食品と一緒に摂取することで、吸収率を低下させてしまうので要注意です。

 

貧血の種類

 

1.鉄欠乏性貧血

女性貧血の約7割がこの「鉄欠乏性貧血」だと言われています。

ヘモグロビンの主な材料である鉄が不足し、ヘモグロビンが作られなくなるために起こる貧血です。その原因は以下のように分けられます。

〇過剰に鉄分が不足してしまう
月経過多や痔、ガンなどによる消化管からの出血が原因となります。

〇鉄分の摂取量不足
偏食・無理なダイエット・外食などに食生活の乱れ等により、鉄や栄養素が不足します。朝食などを抜くことによって、食事から鉄分を摂取することができなくなります。

〇鉄需要の増加
妊娠・授乳期は胎児の成長や母乳分泌に鉄が多く必要になるため不足が起こりやすくなります。
また、思春期女子では急激な成長により血液量が増加し、鉄の需要も増加して貧血になることがあります。

〇吸収障害
手術で胃を切除した後などは食事で摂った鉄分が十分に吸収されなくなり、鉄分が不足することがあります。

 

2.溶血性貧血

赤血球の寿命は約4カ月ですが、赤血球の膜がそれよりも早く壊れてヘモグロビンが流れ出しておこります。赤血球の壊れるスピードが速くなると、減少を補うために、多くの赤血球が骨髄で作られるようになります。それでも追いつかないほど壊れるスピードが速くなると、溶血性貧血に関連した症状が現れることがあります。

赤血球の寿命はおよそ4か月と考えられていますが、赤血球が寿命よりも早く壊されることにより引き起こされる貧血を溶血性貧血といいます。だるさや息切れ、めまいなどの症状に加えて、黄疸や尿がコーラのような色になるなどの症状もみるようになります。

溶血性貧血の特徴は皮膚や目が黄色くなります。
赤血球の膜が壊れる原因はいろいろありますが、マラソン選手や長距離歩行などのスポーツ選手などが運動をすることによって足の裏の血管内で自らの赤血球を数多く踏み潰してしまうことで溶血性貧血になりやすいと言われています。

 

3.再生不良性貧血

再生不良性貧血とは、酸素を運ぶ「赤血球」、白血球の種類の一つであり殺菌効果などがある「好中球」、出血を止めてくれる「血小板」という3種類の血液細胞が減少することによって症状が起こります。これらの血球は骨髄で作られています。骨髄組織は多くの場合脂肪に変わってしまい、血球が作られていません。そのために貧血症状や、出血などが起こってしまうのです。男女ともに若いうちの10代~20代と、歳を重ねてからの70代~80代がピークのようです。

 

4.巨赤芽球性貧血

赤血球がつくられるときに必要なビタミンB12、葉酸のいずれかが不足して赤血球が減少するために起る貧血です。ビタミンB12の不足原因としては胃の切除手術によって起こることが多いようです。ビタミンB12を身体に吸収するために必要な、胃から分泌される「内因子」と呼ばれる物質が、胃を取ることでなくなってしまうのが原因です。

葉酸の不足原因は、妊娠やアルコール依存症などの薬剤の投与が関係していると考えられています。巨赤芽球性貧血の主な症状は貧血ですが、その他にも「体重が減少する」「味覚が落ちる」などの症状が現れる場合があります。

今回は中でも、女性の貧血の7割とされている「鉄欠乏性貧血」について、詳しく紹介していきます。

次のページ
私もそうかも!鉄欠乏性貧血について

1 2

 

 

 

オススメ記事

新着記事

カテゴリー別