エステの歴史

女性は誰しも「美しくなりたい」と願いますよね。

人は美しくなるために様々な努力が必要です。その中でも今回は「エステ」に焦点を当ててご紹介します。

日本におけるエステティックの歴史は、1905年(明治38年)に理美容師の柴山兼太郎氏がアメリカの生理学者ドクター・W・キャンブルー氏に学んだ、フェイシャルマッサージを自身が経営する「理髪店」で導入したことから始まりますが、世界的に最も古いエステの歴史は、紀元前数千年前のエジプトにまで遡ると言われています。

エステは現在の地位を確立するまでにどんな変遷をしてきたのでしょうか。
歴史を辿っていきましょう。

 

本来のエステの意味

エステとは、「エステティック」を略した言葉です。
全身のケア、美容効果、リラクゼーションなどが日本での一般的な意味とされていますが、エステサロンやエステティシャンという言葉は和製英語ですので、外国人には伝わりません。

「エステティック」の語源は紀元前500年頃、ペルシャ大王の妃であるエステルの美しさからきているといわれています。大妃候補の女性たちは投薬を6ケ月、さらに特別な香水で6ケ月、皆およそ1年間かけて美容に勤しみ、そして豪華な衣装や宝石を身に着けたそうです。その美女たちの中のひとり、エステルは誰よりも美しく教養もあったことから、王は彼女を愛し王妃となりました。

今では、エステティックとは西洋では美意識や美学を意味し、フランス語で美しさを表す形容詞となっています。

このように、西洋では「美学」「美意識」「美しさ」を様々な観点で追求していくことが本来の意味の「エステティック」です。

日本語では広く「エステ」と略しますが、英語、仏語では略さずに表現します。

 

エステの起源

エジプト・ヨーロッパ・中国・インドなど様々な地域でエステの原型となる美容法が見られますが、中でも最も古くからそれらしき記録があるのは、エジプトと言えるでしょう。

古代エジプトの時代から、「美しさ」について人々は研究を重ねてきました。
エジプトでの美容の歴史は世界で最も古いと言われており、エステの発症は古代エジプトから始まったと考える場合もあります。その時代は紀元前数千年前ですから、今から3000年以上も前ということです。
そんなに古い時代から、女性は美の追求をしていたんですね。

エジプトといえばクレオパトラをイメージする人が多いでしょう。
クレオパトラは絶世の美女と言われ、紀元前69年から紀元前30年を生きた古代エジプトの女王です。クレオパトラはとても美意識の高い女性であったことはよく知られていることですが、クレオパトラが使用人に行わせていたマッサージは、現代のエステの原型なんだそうです。

さらに、ボディマッサージやフェイスマッサージだけではなく、ヘアケアやネイルケアもしていたという記録が残っています。
中でもクレオパトラは特にバラの香りを好んだとされ、入浴時にバラの香油を用いたり、香水として使ったりしていたようです。そのほかにも金箔を美容に使用したり、ミルク風呂に入浴したり、様々な美容法を試していたようです。

 

フランスのエステ

エステの語源が、紀元前500年頃のペルシャ大王の妃である「エステル」の美しさからきているという説は、前に述べた通りですが、この言葉が現在の痩身や脱毛、美白をはじめとした、全身の美容術を表すようになったのは、この後、あるフランス人女性の美容術が一般化したことによるそうです。

そのフランス人女性の名は、ニノン・ド・ランクル(通称:ランクル夫人)。この方は今から約300年程前のフランス、ルイ14世時代を生きた女性で、職業は高級娼婦でした。

娼婦といっても教養があり格式高い社交界のマダム的な存在です。そのときすでに70歳を超えていたにもかかわらず、彼女の見た目は30歳くらいにしか見えませんでした。
そのせいで、若い男性や世間を惑わせる何か怪しげな術使いか魔女のような存在としての噂が立ち、ルイ14世に呼びだされることとなります。

しかし、実際に彼女を一目見たルイ14世は、その若さと美貌に驚き、「ぜひその衰えない美しさの秘訣を教えて欲しい」と逆に教えを請うたと言います。
彼女の行っていた美容術は、非常にシンプルなマッサージで、首の「のどぼとけ」の下にある「甲状腺」を刺激し、若返りホルモンを活性化することだったそうですが、「エステティック」という美学をあらわすエピソードとして、語り継がれています。

その後、時代変わって18世紀になると、マリー・アントワネットなどのフランス貴族の女性たちの間で、ハーブを使ったエステやミルク風呂が流行し、そのなかで使用人の手によってマッサージなども行われました。

このころのフランスは、貴族全盛期時代で、フランス貴族の女性たちとって美の追求は日常的な研究課題でした。

「施術」として「他人に施してもらう」「美しくなるための術」というのがエステの本来の意味ですから、この時代のフランス貴族の行っていた美容法が、現在のエステの起源と考える説もあります。

現代のエステの原型

世界で初めてエステと呼ばれる形式で広まったのは18世紀フランスなのですが、現在のようにエステサロンに通って施術を受ける形のサロンができたのは19世紀初めごろです。
オーストラリアのメルボルンでポーランド出身のヘレナ・ルビンシュタインによって開業されたのが最初となります。

オーストラリアで化粧品関連のビジネスに従事していたヘレナ・ルビンシュタインは、1902年、世界初のエステサロン「ヘレナ ルビンスタイン ビューティーサロン」を開業、その後すぐの1906年にロンドンにサロンを開き、さらに1913年にはフランスパリで独自のフェイシャルマッサージを生み出しました。

その頃から、現代では当たり前になっている「人それぞれ肌質は異なり、自分の肌に合った化粧水を使う」という考え方が広まっていきます。

化粧品売り場の演出も華やかになり、石鹸やヘアネットなど、必需品メインの売り場に女性が憧れる口紅ケースや魅力的な商品が並べられ、化粧品を販売する際の演出が生まれました。また初めて科学を美容に取り入れることによって、画期的なアイディアでたくさんの美容製品を生み出し、美意識の高い女性の美的欲求をさらに刺激しました。

こうしたヘレナ・ルビンシュタイン革新的な概念は、現在の美容業界に今でも受け継がれ続けています。

 

日本でのエステ

日本のエステを語る上で、芝山兼太郎氏の貢献は欠かせません。

芝山兼太郎氏は、明治28年に横浜に理髪店を開業しました。その2年後、自身の理髪店に婦人部を設けますが、これが現在の美容室の始まりです。
さらに明治38年、芝山兼太郎はアメリカ人のドクター・W・キャンブルーより教わった血行療法を用いたマッサージ「キャンブルー式フェイスマッサージ」を始めますが、これが日本のエステの始まりと言われています。

のちに名称が「美顔術」と改められ、さらに美顔術に改良が加えられたものが「芝山式美顔術」となって普及しました。

その後、芝山兼太郎の娘、芝山みよかは、日本の戦後におけるエステのさらなる普及に大きく貢献しました。

1947年、繁盛していた美容室に皮膚科を併設し、戦争ストレスによる女性の肌トラブルのケアに貢献。
1951年(昭和26年)には、エステの本場フランスへ渡り「ヘレナルビンシュタイン」でエステを学びました。
1952年(昭和27年)ついに、フランスとアメリカで学んだ美容法、メイクアップ技術をもとに、松坂屋銀座店に「サロン・ド・ボーテ」を開業。

これが日本の本格的なエステサロンの始まりとなりました。

1970年代に入り、一般家庭にも少しずつ経済的余裕が出てくると、テレビに出演する芸能人をみることによて憧れなどもあり、多くの女性達の間でエステへ関心が寄せられるようになります。
1980年代には総合エステサービスを提供するサロンが生まれ、現在のように、日本全国に展開されることになります。

エステの種類

日本にエステの原型ができてから100年と少し経った今、エステの現状は当時と変わりサービスの多様化が進んでいます。
フェイシャル、ボディケア、脱毛など、エステサロンにはさまざまな種類があり、フェイシャルサロンひとつ取っても、サロンによってさまざまなコンセプトがあり化粧品メーカーによるサロンを始め、自然派サロンや最先端の科学的技術を用いたサロン、ハンドマッサージに特化したサロンなど、特徴も細分化しています。

ここ数年では、女性だけでなく性別を超えて男性もエステを受ける時代になりました細かい一人一人のニーズに合わせることができるほどにエステの種類は豊富です。

脱毛、肌荒れのケア、ニキビケア、小顔や痩身ケア専用のエステなど、男性向けのエステだけでもこのようなメニューが豊富に取り揃えられています。

エステサロンではどんな悩みを持っている人なのか、その人に適した施術はどの種類かをサロン側が判断するために、カウンセリングが行われます。カウンセリングをきちんと行わないエステサロンは避けるべきです。細かくカウンセリングを行うサロンは、よりご自分に合った施術を受けることができますよ。さらに数あるエステサロンの中で、好みの雰囲気の場所を見つけられるといいですね。雰囲気が好みだと自分もリラックスすることができます。

まとめ

現代ではありふれたものとなったエステですが、このように一般の人々が気軽に利用できるようになるまでには、長い歴史があったことをおわかりいただけたかと思います。

古代から人々は美しさを追い求めています。
せっかく恵まれた時代に生まれたのですから、ぜひエステを上手に利用して美しさと自信に磨きをかけていってくださいね。

 

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